ほうわ

み教えに学び自分自身をふりかえります

人生で最も影響を受けた人

親鸞さま御影

人生で最も影響を受けた人

1.宗勢基本調査 2015(平成27)年
2015年に本願寺派から各寺院住職に、宗勢基本調査のアンケートがあったのですが、そのなかに次のような項目がありました。 

問い
あなたが浄土真宗の信仰をもつに至ったきっかけは、どのようなものですか。もっとも、強く影響したものを選んでください。(ひとつ○印) 
①親の影響        
②家庭の雰囲気    
浄土真宗の教えの学び
④善知識との出あい  
⑤門信徒とのふれあい 
⑥身近な人の死     
⑦人生の悩み (老いや病など)                                      
⑧寺院子弟として生まれたこと                                    
⑨はっきりしない     
⑩その他         
    
どれも当てはまるように思いましたが、ひとつ○印と書いてあったので①親の影響に○印をつけました。親の生き方を身近に見て、浄土真宗のみ教えを学ぶようになったからです。寺院子弟として生まれたことは決定的な要因ではありませんでした。            

後日、宗勢基本調査の結果が公表されましたが次のようでした。

①親の影響 回答1436 実数22.8%
②家庭の雰囲気 回答206 実数3.3%
浄土真宗の教えの学び 回答551 実数8.8%
④善知識との出あい 回答214 実数3.4%
⑤門信徒とのふれあい 回答125 実数2.0%
⑥身近な人の死 回答124 実数2.0%
⑦人生の悩み (老いや病など) 回答40 実数0.6%
⑧寺院子弟として生まれたこと 回答3272 実数52.0%
⑨はっきりしない 回答94 実数1.5%
⑩その他 回答228 実数3.6%
合計 回答6290  実数100.0%
欠損値 364     

2.人生で最も影響を受けた人
そのあと自分自身で問いを考えました。みなさんも一緒に考えてください。

問い
宗教に限らず人生で最も影響を受けた人を、1人選ぶとしたら誰を選びますか?
①家族 両親、配偶者、兄弟など。
②先輩 学校や職場の先輩。
③学校の先生
④友人
⑤タレント 
⑥スポーツ選手
⑦歴史上の人物
⑧その他
年代によって違うと思いますし、人それぞれですからどのような答えがあってもかまいません。

私が人生で最も影響を受けた人は親鸞さまです。

3.親鸞聖人の生き方
どうして親鸞さまなのかと考えてみると、その生き方に心から共感するからです。世間の価値観に埋没することなく、右往左往することもなく、終始一貫して末通った生き方をされています。

人の毀誉褒貶(きよほうへん)や世間の評価に翻弄されず、権力や権威に媚びることがない毅然とした生き方を生涯通されました。どのような弾圧や迫害をされてもその生き方は終始一貫していました。

お念仏が終始一貫した真実だから結果として、念仏者の生き方も終始一貫しているのでしょう。
※終始一貫:途切れない、曲がらない、変質しない、分かれない、唯一無二。

つねに世間の評価に振り回されている私とはまるで違います。

この世は燃えさかる家のようにたちまちに移り変わる世界であって、すべてはむなしくいつわりで、真実といえるものは何一つない。その中にあって、ただ念仏だけが真実なのである。『歎異抄後序』

このようにいうことは誰にでもできるのかもしれませんが、この言葉の通りに実践して生きることは至難のことです。「ただ念仏のみぞまこと」そのことを親鸞さまは自らの生き方をもって実践されました。

阿弥陀さまの願いを依り処として生きるとき、結果としてどのような人生となるのか

その証(あか)しがご自身の生き方として顕(あらわ)れています。

どのような素晴らしい言葉で語っても、自らの生き方で実践しているものでなかったら虚しいものです。

その親鸞さまが一番大きな影響を受けたのが法然さまです。

私の両親は親鸞さまを大変尊敬していました。また阿弥陀さまの願いに遇(あ)えたことを慶んでいました。両親を通じて親鸞さまに遇い、親鸞さまに遇えたから阿弥陀如来の願いに遇うことができました。

生死(しょうじ)をくり返すなかで、さまざまな人と縁(えにし)を結び、それぞれにご恩がありますが、いままで受けたすべてのご恩はお念仏でつながっています。

仏恩(ぶっとん)の深きことを知らされ、ただお念仏申すばかりです。

歎異抄
煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろづのこと、みなもつてそらごとたはごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまことにておはします
浄土真宗聖典(註釈版)854頁

正像末和讃
如来大悲の恩徳は 身を粉にしても報ずべし
師主知識の恩徳も ほねをくだきても謝すべし
浄土真宗聖典(註釈版)610頁