ほうわ

み教えに学び自分自身をふりかえります

いのちの融(と)けあう世界

春夏秋冬 
心が和(なご)む場所

ヌスビトハギ
少しかわいそうな名前です
 


八月中旬の夕方五時頃、庭の片隅に座って山を見ていると木立からセミの聲(こえ)が聞こえてきます。数十匹あるいはそれ以上の数かもしれません。

アブラゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシの合唱です。
キジバトさんもときどき参加しています。
指揮をしているのはヌスビトハギさん(少しかわいそうな名前)です。

セミは種類によって鳴く時期も時間もそれぞれが異なっていますが、たぶん今が一番調和して聞こえるのでしょう。これだけたくさんのセミが一斉に鳴いているのに、少しもうるさいとは思いません。とても不思議です。

合唱を聴いているうちに、親鸞さまの言葉が思い浮かびました。

いつつの音声(おんじょう)
いだしつつ 
宮商(きゅうしょう)和(わ)して 
自然(じねん)なり


東洋の音階では宮(きゅう)・商(しょう)・角(かく)・微(ち)・羽(う)という五つの音階がありますが、宮と商の二つの音は不協和音の関係だそうです。

私たちも自身の見解に執着して対立しますが、阿弥陀さまの執着心を清浄にするはたらきにより、お互いに和(なご)み合い一つの心に調(ととの)えられていくのだろうと思います。

お互いの見解が異なっても、相手を認めあい尊重することが大切です。

海のように、いのちの境界線がなくなり、自(おの)ずと融けあう世界が開けてきます。怒りや憎しみに支配されることのない世界です。

庭を眺(なが)め、セミの聲(こえ)を聞き、親鸞さまの言葉を味わう。とても豊かな一時でした。心も自ずと和(なご)んできます。

2022.08.11 17:00

浄土和讃
清風(しょうふう)
宝樹(ほうじゅ)をふくときは

いつつの音声(おんじょう)
いだしつつ

宮商(きゅうしょう)和(わ)して
自然(じねん)なり

清浄薫(しょうじょうくん)を
礼(らい)すべし

浄土真宗聖典(註釈版)563頁



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