ほうわ

み教えに学び自分自身をふりかえります

遺贈の絵画

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あたたかいまなざし


本堂に境内の景観を画いた遺贈の絵画が掲げられています。画いた方は長い間お寺の世話役を務めてくださった方です。24歳で法務を始めた私は右も左も分からず、さまざまなことで大変お世話になりました。それ以来、約40年間のお付き合いでした。

この絵を見ながら故人のことを思い浮かべます。私は写真現像の仕事をしているとき、何時も光と色のことばかりを考えていました。デジタル技術が発達した今と違って、フィルムを現像していたときは色を再現するのはとても難しいことでした。

また、写真を撮影した時の状況を想像することも必要でした。撮影した時の天候、現像機の状態等によって色も微妙に変化するのでいつも緊張していました。そのため、故人とも色や構図の話しをよくしました。

どの視点でものごとを見るのか、それは仏教とも深いつながりがあることです。私にとってはとても大切な時間であり、ほっとする時間でもありました。画かれた絵はどれも、どこか郷愁がある懐かしい風景ばかりです。展示会があったときは県立美術館に見に行きました。

この絵を見ながら故人が立っていた同じ場所に立ち、どのような視点で構想を練られていたのかを想像するとき、どこかあたたかいまなざしを感じます。

以前は右隅石垣の東角に渋柿の木があったのですが、通行の妨げになるので切ってしまいました。そのことをとても残念に思っていたようで、「おとましい(惜しい)かった」と話しておられたのを思い出します。絵の構図としては渋柿の木があると良かったのでしょう。

絵のこと以外にもさまざまなことを話しました。この絵を見ていると故人のなつかしい声が聞こえてくるようです。

絵のこころを味わうと仏教の三宝がおさまっているように思えます。梵鐘の銘は「南無阿弥陀仏」、経蔵は「お釈迦様の教え」、画いた人は「教えを聞き・伝えるサンガのなかま」。すなわち南無帰依仏・南無帰依法・南無帰依僧の三宝です。


残してくださった、失うことのない真(まこと)の宝を伝えていきたいと思います。合掌 

「梵鐘の響きと故人のお念仏の声が重なって聞こえてきます。ありがとうございます。南無阿弥陀仏

     

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