ほうわ

み教えに学び自分自身をふりかえります

真宗教団連合講演会聴聞記

本願寺福井別院本堂で真宗各派合同の勤行

1.真宗教団連合

先日、本願寺福井別院を会場として、真宗教団連合福井県支部の第52回公開講演会が開催されたので聴聞しました。

講題:『教行信証』には何がかかれているか
講師:阿部信幾師(本願寺派布教使/群馬県みどり市西福寺住職)
期日:令和5(2023)年9月2日(土曜日)
会場:本願寺福井別院(西別院)本堂・大ホール            

開会式は本堂で開催され、講演会は大ホールに会場を移して開催されました。
予想していた以上の多くの方が参加して少々驚きました。 
広い大ホールですが座席が足りなく、椅子を増やして対応。

真宗十派の門信徒が宗派を超えて、一同に集まり聴聞する真宗教団連合福井県支部の研修会・講演会は毎年会場を変えて開催されています。
真宗十派はかつての歴史では対立したときもありましたが、今はお互いに研鑽を深めています。
お勤めや作法そして歴史は異なりますが、同じ親鸞聖人を敬うなかまであることには違いありません

この別院には以前は布教・研修会・会合などで、幾度となく通いタイムカードが欲しいくらいでしたが、役職をすべて退いてからは行く機会も少なくなりました、今回は多くの旧知の方とも出会い久しぶりに歓談。いろんな困難をともに超えてきた仲間です。


2.真宗三門徒派門主挨拶
開会式の際に真宗三門徒派門主の挨拶があったのですが、印象に残った挨拶でした。
「ただ念仏する教えの浄土真宗真宗学が成り立つのか?」というご自身に対する問いかけです。

その後に言われたのは
真宗学を学ぶというのは、親鸞聖人の学び方を学ぶということではないか」という言葉でした。
そしてさらに次のように言い換えられました
真宗学を学ぶというのは、親鸞聖人の学び方に学ぶといこうとではないか」

ご自身の言葉を選びながら話されているように感じました。
「学び方を」と「学び方に」は「を」と「に」の一字しか違いませんが、意味には大きな違いがあります。ながく思案された結果の言葉だったのでしょう。

今まで福井別院での会合や研修会で何度も議論されてきたことですが「み教えを学ぶ」と「み教えに学ぶ」では、意味は大きく異なります。

「み教えに学ぶ」という場合には主体は「私」になります。「み教えに学ぶ」という場合には主体は「み教え」すなわち釈迦如来ということになります。み教えとはすなわち本願ですから根本の主体は阿弥陀如来となります。

親鸞聖人のお聖教は、つねに力(はたらき)の主体は弥陀・釈迦になっているように思います。

愚かな私たちは無意識のうちに、すべてのことで「私は」「私が」「私の」というように自分を主体とする、自己中心の考え方をしてしまいます。それが我執(がしゅう)、我所執(がしょしゅう)なのでしょう。

真宗三門徒派門主の挨拶をふり返りながら、歎異抄第2条を思い出しました。

歎異抄第2条

弥陀の本願(ほんがん)まことにおはしまさば、釈尊(しゃくそん)の説教(せっきょう)虚言(きょごん)なるべからず。

仏説(ぶっせつ)まことにおはしまさば、善導(ぜんどう)の御釈(おんしゃく)虚言(きょごん)したまふべからず。

善導(ぜんどう)の御釈(おんしゃく)まことならば、法然(ほうねん)の仰(おお)せそらごとならんや。

法然の仰せまことならば、親鸞が申すむね、またもつてむなしかるべからず候ふか。詮(せん)ずるところ、愚身(ぐしん)の信心におきてはかくのごとし。

 

3.講演会
ご講師の法話は、阿弥陀如来の本願力によって信心をめぐまれたものは、この世の縁が尽きたときに浄土に生まれ仏のさとりを得ることが、現生(げんしょう)において決定した聚(なかま)になるということ。
後生の一大事(ごしょうのいちだいじ)、現生正定聚(げんしょうしょうじょうじゅ)、往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)という言葉を中心に展開されました。

お話しのなかで宿業(しゅくごう)に言及されることがあり、考えさせられることがありました。この点については浄土真宗聖典(註釈版)補註の業・宿業を読んでみたいと思います。

4.結び
この度の講演会で聴聞していろんな問いをいただきました。み教えに学ぶことにより、さらに問いが深まり固い心が深く耕されていきます。そして、心地よい自分中心の世界に安住することを是とできなくなります。問いがないということは思考が停止しているということです。それはマインドコントロールの宗教ともいえるのではないでしょうか。

人に正しい答えを与える前に、自分自身の内心に生まれた問いに、真摯に向き合う必要がありそうてす。

み教えに学ぶとき、私たちの世のなか(もちろん私自身も含めて)や私自身のありようが問題とされてきます。

講演会を聞いたあとも聴聞は続きます。
多くの問いをいただき有り難いことでした。

合掌

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